出発前の一時
朝7時、ジャナクプール付近の沿線が活気づく。目覚めた機関車も給水の腹ごしらえをして運用準備に忙しい。
ジャナクプール駅
車内に入れない客は屋根の上に乗ったりして出発が必ず遅れる。これぞネパール名物鈴なり列車の完成だ。
特等席
私もインド側の終点まで体験乗車した。車内は満席、スピードも鈍いため通風もなく蒸し暑い。バック運転のためキャブ上は煤煙に悩まされることもない。屋根づたいに物売りが廻って来るのには驚いた。
のどかな沿線
田園には稲が実っていた。来週からは稲刈りが始まる。沿線はいわゆるゼロメートル地帯。嵐が来ると河川が氾濫して度々、大洪水となる地域である。そのため線路は高く盛り土してある。
交換
沿線で機関区があるカズリ駅。給水や交換設備が整っていて交換時は大賑わいとなる。
蛇使い
カズリで待っているとどこからか老齢の蛇遣いがやってきた。私は蛇の舞いを頼むと爺さんは「ミスター、さっき蛇が逃げた。笛だけで勘弁してくれ」と陽気な返事。私は急に足どりが重くなった。
ナローとメーター
インド側・始発駅ジャイナガールを出発。隣りにはインド国鉄(メーターゲージ)のYPClassが待機している。線路や客車、動力車といい遥かにりっぱなインド国鉄であるが私は情緒たっぷりあるジャナクプール鉄道の方が好きだ。
さよなら伝説列車
機関車よりも客車や乗降客を見ているだけでも可笑しさを味える。たった一度の訪問だったが現在も残っていればきっと私は通い詰めていたことだろう。
王室事件で注目浴びていますネパールです。入稿を終えた時、突然この事件が起こってしまいました。私も他の国も考えましたが今回、事件とは関係も無く、また次回の告知もしていたため不謹慎かと思いましたがこのままネパールを入れました。現在はジャナカプール鉄道もDL化となり訪れる愛好家もほとんど行きません。この国の早期正常化と治安安定に国全体がとりくみ、また観光王国ネパールに戻ることでしょう。
最後に慎んでネパール国王、皇族の方々のお悔やみとネパール国の今後の発展をお祈りいたします。