機務段 哈爾浜機関区早朝の哈爾浜機関区の外気はマイナス30度だった。早朝の仕事は水蒸気で凍結した氷の撤去作業から始まる。ようやく薄陽が機関車のボディを照らす。やっと暖かさを感じた瞬間だ。中衛 包蘭線 孟家湾午後から雨が降ってきた。雨宿りする場所も無く全身ずぶ濡れ。持参していた黒いゴミ袋をかぶり沿線を歩く。夕刻、中衛駅に戻ると要注意人物として公安が私たちを待受けていた。1987年の5月のことだった。